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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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紅あずま

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寒い日に焼きいもの甘い香り、そそられますね。そこで今回はさつまいものおいしさを再発見しようということで人気のある品種のひとつ「紅あずま」を取り上げてみました。(2011/12/12作成)

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品目:さつまいも sweet potato
品種:紅あずま
分類:ヒルガオ科サツマイモ属
原産地:中央アメリカ
紅あずまの主な産地:茨城県、千葉県ほか
出回り期:通年(新ものは9~11月、貯蔵ものは1~3月)

健康や美容によいといわれるさつまいも。
中央アメリカ原産の芋が17世紀前半に中国から沖縄を経て薩摩(鹿児島県)に伝わり栽培されたことから、薩摩芋と呼ばれるようになったといわれています。その後、蘭学者の青木昆陽の手で全国に広められました。
甘みがあることから「甘藷(かんしょ)」とも呼ばれます。
やせた土地でも凶作の年でも収穫を見込めることから救荒作物として重宝され、日本でも飢饉や戦中戦後の食糧不足時に多くの人々の命を救ったとされています。

日本のさつまいもの品種は40種類以上ともいわれますが、「紅あずま」は市場に出回るもっとも一般的な品種。関東の主要品種でもあり、強い甘みとホクホクとした口当たりが特徴です。
素材の味をシンプルに楽しむなら焼きいもや、ふかしいもにして。また天ぷらやスイートポテトなどのお菓子にしてもおいしく食べられる万能野菜です。

●栄養素

主成分はデンプン。じっくり加熱することでデンプンがブドウ糖に変わり甘みが増すといわれます。他のいも類に比べてビタミンCや食物繊維も豊富。いも類のビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴です。
食物繊維は消化管の運動を活発にして腸内をきれいにする働きがあり、便秘の解消、大腸がんの予防のほか生活習慣病の予防等の効果も期待されています。

●保存方法

低温に弱いので冷蔵保存はせず、乾燥しないよう紙袋または新聞紙などに包んで常温で保存します。カットしたものは切り口をラップで包んで冷蔵庫で保存し、早めに使い切ります。

●ひとこと

野菜の写真を撮るとき、モデル選びには結構気を使います。品質の特徴がよく現れているか、傷はないか、そして見映え。今回の紅あずまはぽっちゃり愛らしい体型が気に入ってモデルに採用した茨城県産。ところが産地のさまざまなサイトでいもについて調べているうち、似たような体型の「紅まさり」なるいもを発見しました。紅あずまより丸みがありややしっとりした食感らしい。こやつ、もしかして…。

☆おいしい形

ずんぐりした形、ややくすみ気味な赤紫色、紅色に輝く鳴門金時あたりと比べると紅あずまはやや地味な印象ですね。しかも太く大きいのもあれば細くひょろっとしたものもあるなど体型にはかなりのばらつきが。そんな紅あずま、どんな体型が理想的(おいしい)なのでしょうか。一般的にさつまいもは「皮の色艶がよく表皮にキズや凹凸がなく、ひげ根の跡が小さなもの」がよいとされています。また「切り口に蜜が出ているものは甘い」などとも。とりあえず見た目においしそうな太いものと細いものをシンプルに蒸して食べてみましたが――あまり違いはなかったような…。

☆気になる品種

たくさんの種類があるさつまいも。気になるひとつに「安納いも」があります。糖度が高くねっとりした食感が特徴という種子島安納地区の在来種です。また高級そうに個別パッケージされた「五郎島金時」。石川県五郎島地区の砂地で栽培されるいもで上品な甘みが特徴です。残念ながらどちらも実は未体験。そのうち食べ比べてみようと思います。