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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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マスカット

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残暑続く9月。ひと仕事のあとに喉を潤すならブドウ。ということで、爽やかな黄緑色系のブドウを取り上げてみました。(2012/09/22作成)

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品目:ブドウGrapes
植物学上の分類:ブドウ科ブドウ属
原産地:コーカサス地方、北アメリカ
種類:シャインマスカットほか(黄緑色系)
出回り期:8~9月
ブドウの主な産地:山梨県、長野県、山形県など

ブドウは白亜紀(約1億4000万年前)にはその祖先種が出現したのではないかと考えられている古い果物のひとつです。そのせいか種類も多く、世界に1万種類以上ともいわれています。世界のブドウの多くはワインやレーズンなどに加工されて使われますが、日本ではブドウといえば「生で食べる(ちょっと高級な)フルーツ」。代表的なものには巨峰やピオーネ、デラウェアなどがありますが、今回は生食用で、果皮の色から「黄緑系」に分類されるブドウをピックアップしてみました。
「シャインマスカット」は最近よく見かけるブドウです。種がなく皮ごと食べられるのが特徴。糖度も高く、酸味はあまりありません。皮ごと食べるとやや渋みを感じるものの、食べやすさは抜群。見た目は立派なのに、マスカットの王様、マスカット・オブ・アレキサンドリアよりやや手頃な価格が人気の理由かもしれません。
もうひとつは「多摩ゆたか」。あまり聞きなれない名前ですが、東京都調布市で生まれたブドウ。種はありませんが、皮はむいて食べるタイプです。糖度も高く多汁なので、冷たく冷やしていただくととてもおいしい。透明感のある果実の色も宝石のようできれいでした。緑色系のブドウはそのほかにはロザリオビアンコ、瀬戸ジャイアンツ、ナイアガラ、ネオマスカットなどがあります。
おいしい食べ方を探求・紹介すべきなのですが、困ったことに高価なブドウはそのままいただく以外にあまり手を加えることを思いつきません。でも、おもてなしなどのために手を加えるのであれば、粒をまるごと閉じ込めたゼリーは手軽、かつ、暑さ残る季節の涼の演出におすすめです。

●栄養素

糖分のほとんどがブドウ糖と果糖のため、疲労・体力回復によいといわれています。

●保存方法

ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存し、なるべく早めに食べきります。

●ひとこと

ブドウそのものより飲み物(ワイン)が好きな筆者ですが、それでも暑い日に冷たく冷やしたブドウはとてもおいしい。最近では食べごたえのある粒の大きなブドウの種類が増えています。特に種がなく皮ごと食べられるタイプは手がべとつかず、食べ方(種を出すときなど)を気にしないで食べられるのが利点。今後、さらに普及しそうです。

☆甘いのはどちら

ブドウの房の上部と下部ではどちらが甘いのか。たぶん、あまり考えたことはないのでは?正解は上。上部の方が糖分を多く含んでいます。また、果皮に白っぽい粉がついていることがありますが、これはブルームといいブドウが自ら出している物質。新鮮な証です。

☆ワイン用と生食用

ごはんとして食べるお米と日本酒にする米が異なるように、生で食べるブドウとワインになるブドウは基本的に品種が異なります(一部、マスカットベリーAのようにどちらにも使うブドウもあります)。赤ワイン用として代表的なものには仏ボルドー産が著名なカベルネソービニヨンやピノ・ノワール(仏ブルゴーニュ産)、白ワイン用としてはシャルドネ(シャブリは著名ですね)やドイツワインの代表的ブドウ、リースリングなどがあります。フレッシュな味わいを楽しむボジョレー・ヌーボーはガメイというブドウから造られます。チリ産やオーストラリア産のワインにはラベルにブドウ品種が記されていますので、ブドウ品種によって風味がどう違うのか、比べてみるのもおもしろいと思います。