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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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金時にんじん

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お正月らしい食材を使ってみよう、ということで今回は金時にんじんをピックアップしてみました。(2013/01/07作成)

名称:にんじん carrot
植物学上の分類:セリ科ニンジン属
原産地:アフガニスタン
品種:金時にんじん(東洋種)
主な産地:岡山県、香川県など関西地方、四国、九州
出回り期:11月~1月頃


お正月のおせち料理や京料理などに使われるイメージのある金時にんじん。別名「京にんじん」とも呼ばれます。独特のにんじん臭さが少なく、甘みが強く、煮るとより鮮やかになる紅色とやわらかな肉質が特徴。主に関西以西で生産・消費され、関東では年末になると店頭で目につくようになります。
アフガニスタン原産のにんじんは大きく分けてヨーロッパ型(西洋種)とアジア型(東洋種)に分類できますが、金時にんじんはアジア型。原産地からシルクロードを経て中国へ伝わったものが、江戸時代初期に日本へ伝わりました。ヨーロッパ型のにんじんは江戸時代後期にヨーロッパから長崎へ、また、その後アメリカからも伝わりました。
にんじんはオレンジ色が一般的と思われていますが、もともと原産地周辺では白・黄色・紅紫色・黒紫色などカラフルな色があり、形も丸型から長いものまでさまざまな種類がありました。アジア型のにんじんが日本に伝わったときも多彩な色があったそうですが、生活様式の変化などで西洋種が主流になってから東洋種の栽培量は減少し、金時にんじんは現在唯一残された東洋種といわれています。関東人には特別な料理のイメージが強い金時にんじんですが、煮崩れしにくくやわらかいので、煮物やシチュー、きんぴらなどに普通に活躍してくれます(もちろんサラダにも)。むしろ、にんじん嫌いさんにも食べやすい緑黄色野菜といえると思います。

●主な栄養素

金時にんじんの赤い色はリコピンによるもの。抗酸化作用があるといわれています。また、金時にんじんのβカロテンは普通のにんじんより少なめですが、それでも4800μg(可食部100g当たり、生)を含む緑黄色野菜です。にんじんにはビタミンCを酸化させるはたらきのあるアスコルビナーゼという酵素が含まれているので、生でビタミンCを含む野菜と合わせるときは直前に合わせるとよいようです。

●保存方法

水気を拭きとってラップにくるんだり、またはポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。

●ひとこと

お正月用の金時にんじんが年明けにセール品となっていました。普通のにんじんより大きい(長い)ので、2本もあればあれこれ料理を楽しめる、とばかりに早速購入し、きんぴら、シチュー、スープなどを作ってみました。やわらかく甘みがあり、やさしい風味が特徴的。普段は京野菜コーナーに高価な野菜として鎮座しているだけに、新年早々とてもラッキーでした。

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☆にんじんの色

vf0021-2.jpgにんじんといえばオレンジ色の五寸にんじんが一般的。でも最近、黄色のにんじんや紫色のにんじんなども見掛けるようになってきました。紫色のにんじんは皮にアントシアニンを含むそうで、ぱっと見がちょっと焦げた?ような外観。切ると中は普通のオレンジ色のにんじんです。黄色にんじんでは沖縄の島にんじんが思い浮かびますが、見掛けたのは千葉県産でした。もとはいろいろな色があったというにんじん。今後もさまざまな色のにんじんが登場するのでしょうか?