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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

トキ

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秋のフルーツがいろいろ登場してきました。特にりんごはこれから年末にかけてたくさんの種類が出回るのが楽しみです。今回は10月が旬のトキをピックアップしました。(2012/10/22作成)

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品目:リンゴ
植物学上の分類:バラ科リンゴ属
原産地:コーカサス地方
品種:トキ
主な産地:青森県
出回り期:10月中旬~下旬

青森県の土岐傳四郎氏が交配育成した品種で2004年に種苗登録されたというトキ。浅黄色の肌にほのかに赤みが差しているようすはとても上品さを感じさせるりんごです。甘みが強くジューシーで、特にりんごらしい爽やかな香りが特徴。歯触りもよく、生食に向いています。
フルーツの中ではりんごも歴史の古いもののひとつ。トルコでは約8000年前の遺跡から炭化したりんごが出土するなど古くから栽培されていたことがうかがえます。
日本では明治初期に北海道開拓使などが欧米から導入しました。
りんごの主な産地は青森県、長野県、岩手県など。しかもその5割以上が青森県で生産されています。
輸入物も含め現在ではりんごはほぼ一年を通して出回っていますが、トキは中生種で10月中旬頃が旬(出回り期はあまり長くはないようです)。青りんごの代表格で晩生品種の王林(おうりん)とはまた違った味わいを楽しんでみてはいかがでしょう。

●主な栄養素

食物繊維やビタミンC、ミネラル、カリウムが多く含まれます。整腸作用や血圧降下、消炎作用があるとされ、また、最近ではリンゴポリフェノールに脂肪を分解する働きもあるといわれています。西洋では「1日1個のりんごで医者いらず」という諺もあるように、栄養価の高いフルーツとして親しまれています。

●保存方法

ポリ袋に入れ冷蔵庫で保存します。貯蔵性が高いフルーツ。植物の成熟を進めるエチレンガスを多く発生するため、柿やキウイなど他のフルーツの追熟を促すとき一緒に置くとよいといわれます。

●ひとこと

2011年秋に某高級スーパーで、秋映(あきばえ)とふじとセットになってギフトよろしく販売されていたのを購入したのがトキとの出会いでした。その後一般のスーパーでもよく目にするようになり、最終的にはなんだ、コンビニにもあるじゃないかという具合に、少ないといわれつつ案外出回っている印象のトキでしたが、今年はまだあまりお目にかかっていません。今年は収量が少ないのか、収穫時期がもうすこし後なのか。少々ヤキモキしつつ、トキとの出会いを待つのでした……。

☆風邪をひいたら…

幼い頃、風邪をひくとすりおろしたりんごにはちみつをかけて食べさせられたものでした。現在はすりおろしりんごのお世話になることはほとんどありませんが、体調を崩したときなど無性にりんごジュースがほしくなることがあります。食欲がないときでも不思議と入るりんごジュース。やはり栄養価が高いからなのでしょうか。西洋の諺もまんざらではないようです。

☆りんごの貯蔵性

野菜や果物が紹介される際「貯蔵性がよい」といわれることがあります。りんごもそのひとつ。しかし、では貯蔵性とは何なのでしょうか。りんごの場合、8月頃から12月頃まで収穫され、温度0度、湿度90~95%程度の冷蔵倉庫で貯蔵されます。また「CA貯蔵」という特殊な貯蔵法(酸素濃度を下げ二酸化炭素濃度を上げてりんごの呼吸を調整し長持ちさせる方法)ではさらに鮮度を保ちながら長期の保存が可能です。その結果、りんごは3~7カ月貯蔵できるといわれることになり、実際一年中手に入れることもできるわけです。もっとも「貯蔵性がよい」といっても家庭ではこのようにはいきませんので、購入したらなるべく新鮮なうちにおいしくいただきたいものです。