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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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春夏にんじん・金美にんじん

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最近、カラフルなにんじんが目につくようになりました。はたして味は違うのかな、ということで、今回は美しいイエローの金美にんじんと春夏に収穫する春夏にんじんをピックアップしました。(2013/06/20作成)

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品目:ニンジン
植物学上の分類:セリ科ニンジン属
原産地:アフガニスタン
品種:五寸ニンジン、金美ニンジン
春夏にんじんの主な産地:徳島県、千葉県、青森県ほか
春夏にんじんの出回り期: 4~7月(金美にんじんは主に冬)

煮物やカレーの具、サラダ、きんぴら、スープなどあらゆる料理に活躍するにんじん。栄養価も高くβカロチンをたっぷり含んだ緑黄色野菜です。独特の香りや風味は料理に深い味わいを醸し出し、また、鮮やかな色は料理の彩にもなります。本来は冬においしい野菜ですが、秋に種まきして春に収穫するものが春夏にんじん。甘くてやわらかいものが多いようです。
にんじんはいろいろな種類がありますが、大きく分けるとアジア型とヨーロッパ型に分類されます。日本ではアジア型が江戸時代に中国より伝わりましたが、江戸時代後期から明治時代にヨーロッパ型が伝わり、その後の食生活の変化などからヨーロッパ型が発達、普及しました。アジア型として現在残っているものには、京野菜の「金時にんじん」があります。現在主流のにんじんはその大きさから「五寸ニンジン」と呼ばれるもの。濃いオレンジ色でややずんぐりした形が特徴です。そのため、にんじんといえばオレンジ色、という印象ですが、最近は黄色や紫のにんじんもよく見かけるようになりました。写真の黄色のにんじんは「金美にんじん」。独特のにんじん臭さが少なく甘みの強いのが特徴です。食べやすいのでサラダなどにおすすめ。もちろん炒め物やスープにしてもおいしくいただけます。
原産地のアフガニスタンからヨーロッパに伝わったときは、黒や黄色や紫などさまざまな色があったというにんじん。品種改良により、よいとされた品種が主流になってきたわけですが、今後はいろいろな色のにんじんが食卓に並ぶようになるのかもしれません。

●主な栄養素

カロチンの含有量が100g当たり7000㎍以上という緑黄色野菜です。オレンジ色はカロチンの色。カロチンは体内でビタミンAにかわり、粘膜を健康に保つはたらきや抗酸化作用があります。他にもビタミンCやカリウム、カルシウムを含みます。

●保存方法

風通しのよい涼しい場所で保存できます。夏場はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存し早めに使いきりましょう。湿気に弱いので、保存する場合は水気を拭き取ってから。袋に入れたまま常温で保存すると蒸れて溶けてしまいます。葉付きの場合は葉を落としてから保存します。

●ひとこと

「にんじん」というテーマはひとことで言うと「海」について語るようなもの。当たり前の野菜でありながら、実は意外と知らないことに気付きます。色も形もこんなにたくさんあったなんて!冬のにんじんと春夏のにんじんで違いがあったなんて!などなど…。そういえば、以前、にんじん生産地である千葉県で販売されているご当地(?)にんじんジュースを飲んだときに、秋冬にんじんと春夏にんじん、春夏にんじんでも生産地域別まであったのに驚いたものです。今もあるかな?

☆にんじんの選び方

表面にハリとツヤがあり、茎の切り口の小さいものが新鮮。茎の切り口の大きいものは芯の部分が大きく甘みが少ないようです。また、黒ずんでいたり、ひび割れているものは避けましょう。

☆にんじんの色

野菜の色は見れば見るほどいろいろ。どうしてこんな色をしているのか不思議ですね。でも、野菜はただカラフルなのではなく、その色素は野菜自身を紫外線から守っているそうで、また私たちの健康にも役立つ栄養素となります。にんじんのオレンジ色はカロチンの色。紫色のにんじんにはポリフェノール類、赤い金時にんじんにはリコピン、黄色のにんじんはキサントフィル類が含まれています。