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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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いちじく

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夏から秋にかけて楽しめるいちじく。地味だけれど懐かしさと温もりを感じるいちじくを取り上げてみました。(2014/10/20作成)

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品目:イチジク
植物学上の分類:クワ科イチジク属
原産地:小アジア、アラビア半島南部
品種(種類):マスイドーフィン
主な産地:愛知県
出回り期:8月下旬~11月上旬

ホイップクリームのようなころんとした外観が愛らしいいちじく。欧米では100種類以上もの品種があるそうですが、現在国内で出回っているものの多くは桝井ドーフィンという種類で、1909年にアメリカから導入されたもの。大きめで手に乗せるとずっしり、もっちりとした質感があります。
他には福岡のブランドで「とよみつひめ」などがあります。こちらは少し小ぶりで高い糖度が特徴。また、古く中国から伝わったとされる在来種で「蓬莱柿(ほうらいし)」という種類もあります(あまり流通していません)。
いちじくには越冬した幼果が夏に熟す「夏果」と新梢について秋に熟す「秋果」があり、11月初め頃まで出回ります。夏果は大きめ、秋果は小ぶり。やわらかく、生のいちじくは縦2つに切ってスプーンですくって食べるのがおすすめ。生ハムやチーズなど塩気のあるものと合わせてもおいしくいただけます。赤褐色に色づき、触ると少しへこむくらいが食べごろ。たくさん手に入ったらジャムやドライいちじくなどにしてもいいですね。
ところで、いちじくは「無花果」と書かれますが、花がないわけではありません。実は、食べているのは果肉ではなく肥大した花(花托)。花が花托の内側につくため無花果と呼ばれています。果実は中にあるプチプチっとした小さな粒(痩果といいます)なのだとか。ちょっとイメージしにくいですね。
旧約聖書にも登場するそうで、古くからある果実の一つです。日本へは江戸時代に中国より長崎に伝わり、当初は薬用として栽培されたといわれています。

●主な栄養素

カリウムやカルシウム、食物繊維が豊富。消化酵素が多く含まれ便秘によいとされています。

●保存方法

日持ちしないので、購入したら早めにいただきましょう。保存する場合はビニール袋に入れて冷蔵庫へ。食べる1~2時間前に冷やしておくとおいしくいただけます。

●ひとこと

少し郊外へいくといちじくの木がある家をよく見かけます。柿、びわ、ざくろなどと共に家の庭で採れる果樹のイメージがあり、どこか里山の懐かしさを感じさせるフルーツのひとつ。これまでは桃や梨に比べると地味で販売期間も短い印象でしたが、最近は長く目につくようになりました。流通技術などの進歩によるものなのでしょうか?

☆とよみつひめ

いちじくといえば「桝井ドーフィン」と思っていたら、スーパーの店頭で「博多とよみつひめ」を見かけたので購入してみました。博多とよみつひめは福岡県農業総合試験場で育成され平成18年に品種登録された福岡のブランドいちじく。ジューシーで柔らかい食感と17度以上の高い糖度が特徴です。生産量もまだ多くないため首都圏ではあまり出回っていないとか。わかりにくけれど見た目も少し違います。見つけたらお試しください。

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