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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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オーロラ (西洋ナシ)

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秋が始まる頃に食べたくなるフルーツといえば洋梨。今回は早い時期に店頭で見かけたオーロラをピックアップしてみました。(2013/11/01作成)

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品目:西洋ナシ
植物学上の分類:バラ科ナシ属
品種:オーロラ
原産地:アメリカ
主な産地:山形県、長野県など
出回り期:9月~10月初旬

西洋梨というと、すぐ思い浮かぶのは「ラ・フランス」ではないでしょうか。そばかすだらけ(サビといいます)で見た目はごつごつと不格好だけれど、滑らかな舌触りと上品な香りがぜいたくな果物の代表選手――。
「オーロラ」は「ラ・フランス」より大ぶりで、一足早い9月頃から店頭に並ぶ早生種の西洋梨です。しっかりとした果肉はとてもまろやかでジューシー、甘みと酸味のバランスがよく、洋梨らしい芳香が広がります。1964年に米国・ニューヨークで「マリゲット・マリラ」と「バートレット」を交配して作られた品種で、日本には1980年代に導入されたとのこと。
主な産地は山形県、生産量が少なく出回る時期は短いようです。大きめのオーロラは食べごたえがあり、そのまま切り分けていただくのがいちばんですが、お菓子にしても楽しめます。白ワインで煮込む洋梨のコンポートなどは手順も簡単でおすすめです。

●主な栄養素

日本の梨に比べ糖質が高く水分が少なく高エネルギー。ビタミンなどの含有量はあまりありませんが、のどの消炎によいとされるソルビトール、消化を助けるプロテアーゼなどを含みます。

●保存方法

西洋梨は追熟が必要な果物。硬いものは常温でしばらくおき、ほのかに香りが立ち、ヘタのまわりを触ると少し柔らかさを感じるくらいが食べ頃。食べる少し前に冷蔵庫で冷やすといっそうおいしくいただけます。

●ひとこと

このオーロラをいただいたのは少し気温が下がったのを感じた爽やかな日。シャリシャリした日本の梨より少しねっとりした洋梨がとても合うと感じました。気候によって食べたくなる果物も変わるんですね。
さて、近くのスーパーの店頭に並んでいた洋梨は9月にはオーロラでしたがその後マリゲット・マリラ、バートレット、そしてついに今(執筆時10月中旬)ラ・フランスになりました。果物の市場の移り変わりは早い! ネットで「オーロラは、あっという間に姿を消す」と書かれた記事を見ましたが、なるほど。のんびり構えている場合ではなかったと反省しつつ、今頃紹介しています。来年の出会いをどうぞお楽しみに!

☆熟したサイン

買ったばかりの洋梨が硬かったとき、食べごろになるまで追熟をします。香り、色、手触りの変化を見逃さず、いただきましょう。香り=熟すにつれだんだんと香りが強くなってきます(パッケージを開けたとたんにふっと芳香が広がるものも。これはもう食べごろです)。色=緑色の外見がだんだん黄色みを帯びてきます。手触り=熟すにつれしっとりやわらかな感触に。ヘタの部分を押してみましょう(触るときはそっと)。お店に食べごろの表示がある場合はよく見ておくといいですね。

☆マリゲット・マリラとバートレット

マリゲット・マリラはフランス原産の大玉の洋梨。甘みが強く酸味はあまりありません。また、いただいたものはオーロラに比べ僅かにざらつき感(和梨に感じられるような)がありました。一方、バートレットはイギリス原産で世界的にも生産量が多い洋梨。缶詰用としても広く使われています。細長いひょうたん型が特徴で甘みの中にほどよい酸味がありねっとりなめらかな舌触りです。どちらも9月下旬~10月上旬頃に出回ります。

vf0029-3.jpgマリゲット・マリラvf0029-2.jpgバートレット