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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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ホームランメロン

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ユニークな名前とつるりとした白い肌に惹かれました。
みずみずしい乳白色の果肉がとってもきれいなメロンです。(2016/6/8作成)

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品目:ホームランメロン
植物学上の分類:ウリ科キュウリ属
品種(種類):ホームランメロン
主な産地:熊本県
出回り期:4〜7月

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ホームランメロンは、白肉ハネデューと緑肉ハネデューを掛け合わせて作られた熊本発祥のノーネットメロン(※)。つるりとしたクリーム色の肌(果皮)と乳白色の果肉が特徴です。ハネデューより小ぶりで香りは強くなく、みずみずしくあっさりとした味わい(上品なウリという感じ)。でも糖度は高く、ときどきメロンに感じる刺激的な感じはありません。

暑い日にのどを潤したり、強い風味やこってりした料理の後にもおすすめです。一口大にカットして他のフルーツと合わせフルーツポンチに、サラダに、ジュースにといろいろな形で楽しめます。名前の由来は正確なことはわかりませんが、野球の「ホームラン」にちなんでという説(ホームラン級のおいしさ)があるようです。

もともと日本では東洋系メロンといわれる「マクワウリ」「シロウリ」が古代からあり、今食べているような西洋系メロンの栽培は明治時代半ばになってから始まりました。マクワウリの一種に西洋系メロンを交配したプリンスをはじめ、現在はノーネット型、ネット型(アンデス、アムスなど)共にさまざまな種類が出回っています。一方、ハネデューはアメリカやメキシコから輸入される輸入メロンの代表格。価格も手頃で近年多く見かけるようになりました。

※網目模様がないメロン。ちなみにメロン果皮の網目模様は成長する過程で亀裂を保護するために分泌する「かさぶた」のようなもの。

●主な栄養素

メロンはカリウムが豊富。ナトリウム(塩分)を排出する作用があるとされています。また、メロンの糖分(果糖、ショ糖、ブドウ糖)は疲労回復にもよいとされています。汗をかきやすい夏のカリウム補給に役立つようです。

●保存方法

比較的日持ちはよいようです。完熟前のものは常温でしばらく追熟させてから食べる前に冷蔵庫へ(食べる2、3時間前に冷蔵庫に入れ、冷やしすぎない)。熟しているものは早めにいただきましょう。食べごろの目安は香り(あまり強くないが少し香る)、触りごこち(少し柔らかくなったかな?)で確かめて。

●ひとこと

高級フルーツの代表格であるメロンですが、園芸的には野菜に分類されるいわゆる「果実的野菜」(いちご、すいかも同様)。そう聞くと、もっと野菜並みに気軽に食べたいなあと思わずにいられません。今回購入したホームランメロンは1個1000円程度(都内)でした。メロンの中では生産量が少ないのか、出回る期間も短いようです。見つけたらぜひお試しを。

☆ピリピリするのは

メロンを食べて、口の中がピリピリという経験はありませんか?原因は主に次のことが考えられるようです(アレルギーは除く)。
・加熟による揮発性物質の生成(エタノール、酢酸エチルなど)
・ウリ科作物に特有の苦み成分(ククルビタシン)
・タンパク質分解酵素「ククミシン」による刺激
メロンは追熟させますが、熟しすぎたものは少し注意した方がよいようです。また、ククミシンはプリンスメロンなどに含まれるタンパク質分解酵素で交配元の西洋系ネット型メロンに由来するものだそう。アムス、アンデスなど他のネット型メロンにもこの酵素が含まれますが、マクワウリには含まれていないようです。
※参考:横浜市衛生研究所、日本植物生理学会ウェブサイト

☆懐かしプリンスメロン

八百屋さんでプリンスメロンが目に留まりました。しばらく影が薄かった気もしますが(失礼!)最近復活の感あり。プリンスメロンとはマクワウリ系「ニューメロン」と赤肉種マスクメロン「シャランテメロン」の交配で生み出されたノーネット系の一代交配種。1960年代に育成され一世風靡しました。店頭で見ると他のメロンに比べ小さい印象ですが、かつてメロンといえばプリンス!の世代にとっては懐かしい一品です。