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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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スイートコーン

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夏が旬の野菜といえばやはりとうもろこし。茹であがったときの甘い香りが夏気分をかきたてます。今回は種類も豊富なスイートコーンを取り上げました。
(2012/07/22作成)

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品目:スイートコーン sweetcorn
植物学上の分類:イネ科トウモロコシ属
原産地:メキシコ~南アメリカ北部
今回ピックアップした品種:
ゴールドラッシュ、ウッディコーン、ホワイトコーン
出回り期:主に6~9月
主な産地:北海道、千葉県、茨城県、長野県、山梨県など

米、麦とともに世界3大穀物といわれるとうもろこし。その栽培の歴史は古く、マヤ・アステカ文明の頃まで遡ります。
日本に最初にとうもろこしが入ってきたのは1579年、ポルトガル人によって伝えられたといわれています。しかし当時のとうもろこしは飼料用の硬い品種(フリントコーン)で、現在わたしたちが食している甘い種類(スイートコーン)が伝えられたのは明治時代になってからでした。
スイートコーンは実の色によってゴールデン種、シルバー種、バイカラー種(白と黄色の入り混じったもの)に分けられます。これまで何気なく食べていたとうもろこしですが、種類によって味や風味に違いがあるのかな、と思いつつ3種類のコーンを選んでみました。
ゴールデン種の「ゴールドラッシュ」はやわらかな皮とほどよい甘さが特徴。輝くような黄色の粒が並ぶ様子は昔ながらのとうもろこしです。
一方、ホワイトコーンは粒が白く甘みが強く生でも食べられるのがウリ。とうもろこしが白いって不思議な感じがしますが、上品な印象で高級感があります。黄・白・茶紫の3色の粒が入り混じったウッディコーンは、あれ、焼きとうもろこしかな、と思わせるようなお茶目な外観。もちもちとした食感が特徴です。この時期、いろいろな種類のとうもろこしが出回っているので、食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。茹でる、蒸す、焼くなどシンプルに食べるのがおすすめですが、スープにしたり、サラダやチャーハンの具にしたり、ピザのトッピングなど、さまざまに楽しめる夏野菜です。

●栄養素

主成分はデンプン。そのほかビタミンB1、B2、カリウム、食物繊維などを含みます。胚芽部分にはリノール酸が含まれます。リノール酸はコレステロール値や中性脂肪値を下げるはたらきがあることから、生活習慣病の予防効果が期待されます。

●保存方法

収穫後も呼吸をしており、時間がたつにつれ糖分が分解されてデンプン化し、甘味が減少します。購入したらすぐに茹で、なるべく早めに食べましょう。食べきれない場合は、茹でたとうもろこしを冷ましてラップに包み冷蔵庫へ。または、実をはずして冷凍するなどして保存します。調理できない場合は冷蔵庫に立てた状態で保存します。

●ひとこと

料理を考えるためには、ちょっと余分に買っておきたいと思うとうもろこし。でも、日持ちしないし、一度にたくさん食べられないので少しずつ買っては料理してみることを繰り返しました。しかし、茹でるとおいしそうな匂いにたちまちかぶりついてしまう者あり……。というわけで遅々として進まないとうもろこし研究でした。

☆とうもろこしのヒゲ

vf0016-4.jpgとうもろこしの皮を剥くと、薄緑のとてもきれいなヒゲが出てきますね。以前、某イタリアンレストランでサラダに洒落た感じでこのヒゲが使われていて、ヒゲって食べられるんだ、と驚いたことがありました。最近はヒゲ茶なんてお茶もありますが、実はこれは絹糸と呼ばれるとうもろこしの雌穂(しすい=めしべ)の一部なのです。とうもろこしはひとつの株に雄花と雌花が同居する雌雄同株といわれる植物。てっぺんにあるススキの穂のようなものが雄花、雌花はその下で雄花の花粉を受粉して実になります。受粉をするのがこのヒゲ。ヒゲはひとつひとつの粒につながっているので、ヒゲの数だけ粒(実)があるということになります。

☆ベビーコーン

tc1206-02.jpgサラダや中華料理などでよく使われるベビーコーン。一見、小さな品種のようですが、同じスイートコーンの未熟果です。とうもろこしはひとつの茎に複数の雌花がつきますが、上から2つを残してほかは小さなうちに摘み取るのだとか。そうすることで実を充実させるのだそうです。そうして摘み取った雌花はベビーコーンとして缶詰めなどに利用されます。