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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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たけのこ

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春の代表的な野菜といえば、たけのこ。掘りたてのたけのこが店頭に並ぶのは今だけ、ということで今回はたけのこを取り上げてみました。(2014/5/6作成)

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品目:タケノコ
植物学上の分類:イネ科マダケ属
原産地:中国江南地方(モウソウチク)、ヨーロッパ、インドなど
品種(種類):モウソウチク
出回り期:2月下旬~5月

たけのこは、竹の地下茎から分かれて出る若芽を食するもの。地中に電熱線を入れるなどで栽培され、年末くらいから出回る早掘りのものもありますが、普通わたしたちが店頭で出会うのは4~5月頃。モウソウチク、マダケ、ハチクなどさまざまな種類がありますが、一般に多く出回っているのはモウソウチク(孟宗竹)で、ほとんど地上に出る前に収穫されます。
モウソウチクは18世紀の初めに原産地の中国から琉球(沖縄)に伝わり、江戸中期になって全国的に広まりました。薩摩藩主の島津公が琉球から入手し藩邸に植えたのが始まりとされています。大型でえぐみが少なく、やわらかく独特の甘みがあるのが特徴です。
たけのこは収穫してから時間がたつほどえぐみが出て風味が落ちるので、鮮度が命。「朝掘ったらその日のうちに食べろ」と言われています。購入したらすぐに米ぬか、または米のとぎ汁で煮て、保存しましょう。新鮮なたけのこは炊き込みご飯や土佐煮、わかめとの焚き物が定番。チンジャオロースや八宝菜など中華もおなじみですが、この時期が旬の生のたけのこは、ぜひシンプルな味付けで、香りや風味を楽しみたいものです。

●主な栄養素

ビタミンB1が比較的多いほか、食物繊維も豊富。独特の旨みはチロシン、アスパラギン、ベタインなどの成分によるもの。えぐみの成分、ホモゲンチジン酸は収穫した瞬間から増えていくため、「その日のうちに食べる」と言われます。

●保存方法

掘りたては生でも食べられるそうですが、通常は米ぬかまたは米のとぎ汁で茹でてあく抜きをしてから保存します。すぐ使わない場合はゆで汁または水とともに容器に入れ冷蔵庫に保存します。

●ひとこと

子供の頃、春になると田舎の親戚の家に出かけ、裏山でたけのこ掘りをしたものです。段ボール2箱分くらいのたけのこを持ち帰り、夜のうちに母親が大鍋でガンガン茹でていました。その後しばらくはたけのこご飯、煮物などたけのこづくしの毎日。不思議と飽きはしませんでした。春だけの楽しみだったからでしょうか。たけのこの皮に梅干しを挟んでしゃぶるおやつや、叔父の手作りの竹馬で遊んだことなどもいい思い出。季節感が少なくなった今、せめて食卓に季節感を取り戻したいと思います。

☆諺に見る竹

たけのこ、というと「雨後の筍」「破竹(はちく)の勢い」など、その特性からいろいろな諺があったと思い出します。「雨後の筍」は雨が止んだあとに筍が続々と生えることから、似たような物事が次々と現れる例えとして、「破竹の勢い」は、竹は一節を破れば一直線に割れることから物事の勢いが激しくとどめることができないといった意味で使われます。その他にも「竹馬(ちくば)の友」(竹馬に乗って遊んだ友達=幼友達)など野菜の学習ついでに竹にまつわる諺などを探ってみると、別の意味での面白い発見があるかもしれません。

☆たけのこの選び方

土から顔を出すと一旬(10日間くらい)で成長してしまうというたけのこ。地上に出ないうちに収穫されます。大小サイズはありますが、穂先が黄色で、外皮が薄い茶色で艶のあるものを選びましょう。穂先が緑色になったものは陽に当たってえぐみが強くなっています。