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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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あまおう&初恋の香り

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今が旬のいちご。店頭を彩る数々の品種から主役級の「あまおう」と話題の白いいちご「初恋の香り」を取り上げてみました。(2014/4/2作成)

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品目:イチゴ
植物学上の分類:バラ科オランダイチゴ属
原産地:北アメリカおよび南アメリカ
品種(種類):あまおう(赤)、初恋の香り(白)
主な産地:福岡県(あまおう)※初恋の香りは生産者が限られています
出回り期:12~5月頃 ※初恋の香りは11~3月頃(販売時期)

まるくて大きく、真っ赤な色や形が粒ぞろいのところが高級感あふれるいちご「あまおう」。福岡県で6年の歳月をかけて研究開発されたという品種です。長いこと人気の品種「とよのか」に代わるいちごを、との思いから生まれたというあまおうは「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字をとって名付けられ、その名の通り高い糖度が魅力。海外へも輸出され、香港・台湾などで日本の高級いちごとして存在感を示しているそうです。
一方、「初恋の香り」は珍しい白いいちごとして登場、テレビで話題になりました。外見も中も白く、よい香りと上品な甘さが特徴です。果実が熟したとき、一部がほんのりピンク色に染まるところが初恋に頬を染めるイメージと重なり、この名がつけられたのだとか(三好アグリテックウェブサイト)。確かに、白い果実がほんのり色づく様子はとても愛らしさを感じさせるいちごです。はじめは「白い」ことに抵抗感を持たれる向きもあったものの今では赤いいちごと紅白の組み合わせでギフトなどに好評を得ているそう。見た目のシンプルさに対し糖度が高く、ジューシーで食べごたえがあります。
いちごは北アメリカおよび南アメリカ原産のものがオランダで交配され、江戸時代末期に日本に伝わりました。本来の旬は5~6月ですが、クリスマスのニーズなどに合わせ冬~春に多く出荷されます。フルーツとして生で食すほか、ジャムやケーキの彩りなどに広く使われ、いまでは品種もブランドも多種多様に登場しています。

●主な栄養素

ビタミンCが豊富(100gあたり62mg)。また、カリウム、食物繊維なども含みます。

●保存方法

ポリ袋などに入れて冷蔵庫で保存し、早めに食べ切ります。食べ切れない場合は冷凍しておきスムージーにして楽しんだり、ジャムにして保存するなどがよいようです。

●ひとこと

初恋の香り、一粒1000円でした(ギフトパッケージ)。1個だけ買ってもな…、という感じは否めませんが、紅白いちご詰め合わせなどは庶民Lemonには高嶺の花(当サイトのR&D費はごくわずかなのです)。この1個で、あまおうの助けを借りつつ強引に話をまとめてみました。

☆ネーミングに注目

「あまい・まるい・おおきい・うまい」から「あまおう」。なるほど!とうなずいてしまいますが、以前は甘いいちごの王様なのか、などと考えていました。このように、今店頭を見渡すと多くの野菜や果物に趣向を凝らした名前が付けられているのがわかります。たとえば栃木県那須の「美なす(ビーナス)」、大分県のにんにく「がーりっくん」。また名称の由来がよく野菜クイズにもなる「アンデスメロン」もしかり(答えは「安心です」の略称!)。野菜や果物の世界でも、今やネーミングは重要なブランド戦略の一つ。さらに最近では「ご当地キャラ」プリント付きパッケージの野菜も多く見かけるようになりました。ネーミングから野菜を見てみるのも面白いのでは!?

☆いちご戦争?

いちごが旬の3月下旬、スーパーや八百屋さんの店頭にはいろいろな種類のいちごが並んでいます。数量、値段的には「とちおとめ」が強いようですが、最近では「あまおう」も買いやすい価格が増えてきた印象です。そんな折、ウェブニュース(日経)で栃木の新高級いちご「スカイベリー」の記事を見つけました。スカイベリーは平成23年に品種登録、翌24年に商標登録されたいちごで「大きさ、美しさ、おいしさの全てが大空に届くようないちご」(スカイベリー公式ウェブサイト)とか。整った円錐形が特徴。まだお目にかかっていませんが、今後「あまおう」と王座を競り合っていくのでしょうか?…まずは食べてみたいところです。